エンジニア組織論への招待より、認知バイアスについて。
各所で話題の本、エンジニア組織論への招待。
色んな人が「この本は絶対読むべき」と言っていたので読み始めました。
まだ全部読み切っていないのですが、読んだ範囲の内容の大枠としては、
- エンジニアリング(というか仕事全般)は、不確実性を下げてモノを生み出す活動である
- 不確実性を下げるには、ルールと事象を正しく認知し、正しく演繹して考える必要がある
- その妨げになるのが、認知バイアス。これを避けると不確実性を下げる精度が高くなる
という内容でした。
認知バイアスの例がたくさんでてくるのですが、どれも「あるある!!」と思うものばかりで、これらをもっと意識できれば自分の意思決定ももっと正確になるだろう・・・とおもったので、本に記載の事項から少し踏み込んで記載します。
バイアスの種類
バイアスの種類には、大きくい下記のものがあります
- ベーコンの4つのイドラ
- 認知のゆがみ
- スプリッティング
- 一般化のしすぎ
- すべき思考
- 選択的注目
- 結論の飛躍
- 感情の理由づけ
- 認知的不協和
それぞれを詳しく解説します。
ベーコンの4つのイドラ
種族のイドラ
種族のイドラは、人間が共通でもつ錯覚や本性に基づく先入観や誤解のことです。
例えば遠くにあるものが小さく見えたり、外気が寒いと水が暖かく感じられたりする感覚のことです。
洞窟のイドラ
洞窟のイドラは、個々の人間それぞれが、それぞれの立場や環境に固執するあまり生まれてしまう先入観のことです。
例えば自分がパクチーを食べてまずかったからパクチーが好きな人なんていない、思ってしまうのは洞窟のイドラにあたります。
市場のイドラ
市場のイドラは、人々が集まる場(市場)において起きるイドラで、言葉の不適切な使用が原因になって生まれる先入観です。
まちがった人の噂話を信じてしまうと発生します。
劇場のイドラ
劇場のイドラは、権威のイドラとも呼ばれ、権威や伝統を無批判に信じてしまうことから生じる先入観です。
例えば丙午の女の子は気性が荒いとか。
認知のゆがみ
認知のゆがみとは誇張的で非合理的な認知方法で、下記の様な内容があります。 もともとはうつ病の人が回復するために必要なポイントを整理したものなので、ネガティブな思考を否定しているものが多いですが、極端にポジティブな考え方も良くないものですよね。 認知のゆがみの例です。
スプリッティング
ALL or NOTHING の思考法です。中間がなく、全か無か的な思考になってしまいます。
施策が大成功するかユーザーから批判を受けるか、みたいな思考ですね。実際にそんな大成功や批判が生じることはほとんどないのですが。
一般化のしすぎ
情報が少ないのに、それだけで広すぎる事象について判断してしまうことです。
例えば、リスティング広告のキーワードに「節約」を入れたらCPAが下がったので、節約に効果がある機能をサービスに追加すればリテンションが上がる!とか。
結論の飛躍
「心の読みすぎ」と「先読みの誤り」の2つのパターンがあります。
心の読みすぎは、相手が悪い反応をするのでは?と、相手に確認もせずに類推して予防線を不必要にはってしまうこと、先読みの誤りは、この先に悪いことがおこるのでは?というのを考えすぎてしまうことです。
すべき思考
他人に対し、〇〇すべきである、と決めつける思考です。
感情の理由づけ
感情で判断してしまっているのにそれに気づかず、論理的に判断しているかのように勘違いしてしまうことです。
例えば、とある施策を実行するのが怖いあまりに、その施策のイケてないところやリスクばかりに目がいってしまうことです。
選択的注目
良い面を見ず、悪い面ばかりに注目してしまうことです。
認知的不協和
自分の感情と行動が一致しないときに、必要以上に攻撃的になってしまったりすることです。
例えば、肺がんになるリスクが高まることがわかっていながらタバコを吸う人は、「そうはいってもたばこにはそんなに害はない」などと考えてストレスを緩和する傾向があります。
まとめ
エンジニアリングや施策実行に関係なく、仕事をするうえでも、プライベートでも、こういう認知の歪みは良い結果をもたらさないですね。。
人は歪んだ認知をしてしまうものなので、それを受け入れたうえで正しい判断をしていきたいものです。